UCard Radar

カード比較

2026年の暗号資産決済カード手数料比較:5ブランド・10プランのチャージ費用と為替コスト

記事を共有

共有先

XWeiboFacebookLinkedInWhatsAppTelegram

暗号資産決済カードの費用は、カードで支払うときだけに発生するわけではない。暗号資産の交換手数料、為替スプレッド、外貨取引手数料、チャージ手数料、ATM出金手数料が、それぞれ別に発生する場合がある。

UCard Radarは、Coinbase Card、Crypto.com Card、Bybit Card、Nexo Card、RedotPayについて、カードプランと提供地域を組み合わせた10ケースを比較した。このうち、外貨建て取引または国外取引に対する追加手数料を確認できた9ケースでは、所定の条件下で適用される料率は 0.2%〜7% だった。主な違いは、カードの発行地域、ランク、取引のタイミングにある。

1. 比較対象と費用の分類

ブランド

比較対象のカードプラン

Coinbase Card

米国のデビットカードプログラム

Crypto.com Card

米国・欧州・英国のMidnightカード

Bybit Card

オーストラリア・ブラジル・アルゼンチン・メキシコのカードプログラム

Nexo Card

欧州・英国向けカードプログラム

RedotPay

USDカードプログラム

同じブランドでも、地域によって異なるカード発行会社を通じてサービスを提供している場合がある。そのため、決済通貨、申込資格、手数料の適用条件は必ずしも同じではない。本記事では個別のカードプログラムを比較単位とし、費用を5つに分類する。資金の入金コスト(チャージ、送金、暗号資産の出金)、資産交換コスト(交換手数料とスプレッド)、決済・為替コスト(取引手数料、外貨・国外取引の追加手数料)、ATM出金コスト(発行会社とATM運営会社の手数料)、口座・カード保有コスト(カード発行、再発行、休眠手数料)である。

資金の仕組みによって、費用が発生する段階も変わる。プリペイドカードではチャージ時に暗号資産が売却される場合があり、一部のデビットカードでは購入時に資産が交換される。Nexo CardにはDebit ModeとCredit Modeがある。前者は保有資産の残高を使って決済し、後者はデジタル資産を担保に借り入れを行う仕組みだ。借入時の利息は実際の融資条件や借入期間によって異なるため、通常のカード決済手数料で代用して考えることはできない。

IMAGE_PLACEHOLDER_01
UCard Radar図解:暗号資産決済カードの手数料はどこで発生するのか

2. 外貨取引手数料:地域・カードランク・取引時期による違い

以下の表は、各カードプログラムが所定の条件下で公表している外貨建て取引または国外取引の追加手数料をまとめたものだ。外貨取引手数料は通常、取引通貨とカードの決済通貨が一致するかどうかによって決まり、一部のプログラムでは取引地域も区別される。海外での支払いに手数料がかかるかどうかは、料金表に示された通貨条件と地域条件の両方を確認する必要がある。

商品・地域

公表されている外貨・国外取引の追加手数料

主な適用条件

Coinbase Card · 米国

一律に比較できる独立した料率の公表なし

Coinbase独自の購入取引手数料はないが、暗号資産の売却時にスプレッドが生じる可能性がある

Crypto.com Midnight · 米国

3%

米ドル以外での購入およびATM出金

Crypto.com Midnight · 欧州

0.2%/2%

ユーロ以外の取引:EU・英国域内は0.2%、域外は2%

Crypto.com Midnight · 英国

0.2%/2%

英ポンド以外の取引:英国・EU域内は0.2%、域外は2%

Bybit Card · オーストラリア

2%

取引通貨がカードの決済通貨と異なる場合

Bybit Card · ブラジル

1.5%

対象となる外貨取引

Bybit Card · アルゼンチン

7%

対象となる外貨取引

Bybit Card · メキシコ

2%

取引通貨がカードの決済通貨と異なる場合

Nexo Card · 欧州/英国

0.2%〜2.5%

取引地域と平日・週末の区分によって異なる

RedotPay · USDカード

1.2%

カードの標準通貨以外で行う取引

出典:各ブランドの公式手数料表。Crypto.comの欧州・英国向け段階別料金は2026年10月1日から適用。Bybitの公式手数料表は2026年9月10日に更新された。

Crypto.comでは、カードランクによって外貨取引手数料が変わる。 米国のMidnight、Ruby、Jade、Indigoでは、対象となる米ドル以外の取引に3%が課される。一方、Icy、Rose、Obsidianではこの手数料はかからない。欧州と英国では、2026年10月1日から、自国通貨以外の取引に次の段階別料金が適用されている。

カードランク

EU・英国内

EU・英国外

Midnight

0.2%

2%

Ruby

0.2%

月間無料枠内は無料、超過分は2%

Jade/Indigo

0.2%

月間無料枠内は無料、超過分は2%

Icy/Rose/Obsidian

0%

0%

Rubyの域外取引に対する月間無料枠は、欧州では 400ユーロ、英国では 400英ポンド。Jade/Indigoでは、それぞれ 800ユーロ、800英ポンド となる。無料枠は暦月単位で計算され、EU・英国の域外で行われる指定の非自国通貨取引に限って適用される。域内での非自国通貨取引には、引き続き表に示した 0.2% が適用される。取引によって無料枠を超える場合は、各地域の規約に従って計算される。米国のカードには、これら欧州・英国の無料枠は適用されない。欧州の手数料表|英国の手数料表

Nexoの手数料は取引地域と曜日によって異なる。 欧州経済領域(EEA)、英国、スイスでの対象取引は、平日が 0.2%、週末が 0.7%。その他の地域では、それぞれ 2%、2.5% となる。Nexo公式情報

3. 決済手数料と暗号資産の交換コスト

Coinbase Card で米ドル、USDC、その他の対応資産を使って支払う場合、Coinbaseは購入取引に対する独立した手数料を課さない。ただし、暗号資産の売却レートにはスプレッドが含まれることがある。米ドル残高から支払う場合と、BTCを売却して支払う場合では、コスト構造が異なる。USDCについても、額面どおりの交換が認められる条件は商品の規定で確認する必要がある。資産の売却には税務上の影響が生じる可能性もある。「取引手数料がない」という理由だけで、どの資金源からの支払いもコストがゼロだとは判断できない。Coinbase公式手数料情報

交換手数料とは、プラットフォームが明示する割合または金額のことだ。一方、スプレッドは実際の約定レートと基準価格との差であり、独立した手数料として表示されるとは限らない。両方が同時に発生することもある。暗号資産を利用した支払いのコストを計算する際は、手数料の記録だけでなく、実際に売却した資産の数量と、その時点で受け取った法定通貨の金額も確認すべきだ。スプレッドを数値化できない場合は「未算定」として別途表示し、ゼロとして扱ってはならない。

Bybitは、法定通貨以外の資産を使った支払いについて、暗号資産交換手数料を公表している。オーストラリア、ブラジル、メキシコでは 0.9%、アルゼンチンでは 0.5% で、計算にはプラットフォームのOne-Click Sell Exchange Rateが使われる。RedotPayの暗号資産交換手数料は 1% で、カードの標準通貨以外での取引には別途 1.2% が課される。資産交換と外貨取引の両方の条件に該当する場合、2種類の手数料がそれぞれ発生する可能性がある。すでにカード内に十分な法定通貨残高があれば、通常は同じ資産交換処理を行う必要はない。Bybit手数料表|RedotPay手数料情報

4. チャージ方法と資金の入金コスト

Crypto.comの米国向けプリペイドカードでは、チャージ方法によって手数料が異なる。

チャージ方法

公式料率

累計500米ドルをチャージした場合の名目手数料

デビットカード

1%

5米ドル

クレジットカード

2.99%

14.95米ドル

PayPal

2.1%

10.50米ドル

米国のMidnightカードでは、デビットカードとクレジットカードによるチャージの合計上限が1日 250米ドル に設定されている。表の500米ドルは累計手数料を計算するための例示額であり、実際には日次上限を守りながら複数日に分けてチャージする必要がある。PayPalのチャージ上限は別に計算される。表に記載した費用はプラットフォームの名目手数料のみで、銀行や第三者決済サービス事業者が別途請求する可能性のある費用は含まない。欧州と英国のプリペイドカードでは、デビットカードとクレジットカードによるチャージ手数料はいずれも 1% となる。米国の手数料表|欧州・英国のチャージ案内

USDTやUSDCなどの資産を入金する際、ウォレット間のオンチェーン送金にはネットワーク手数料が発生する場合がある。取引所から送金する場合は、出金手数料が追加されることもある。これらはカード発行会社のチャージ手数料とは別の費用だ。暗号資産を事前に法定通貨へ交換する場合には、交換手数料やスプレッドも生じ得る。入金コストは通常、購入前に発生するため、カードの利用明細だけでは把握できない。1回の送金で入金した資金を複数の購入に充てる場合、オンチェーン手数料はその資金全体に共通するコストであり、各購入に全額を重複計上すべきではない。

5. FX Padding:承認時の一時確保額と最終請求額

Bybitの FX Padding は、アルゼンチンが 5%、ブラジルが 1%、オーストラリアが 0%、メキシコが 0% となっている。これは外貨取引の承認段階で一時的に確保される金額であり、承認から最終決済までの為替変動に備えるためのものだ。最終的な手数料ではない。 Bybit公式手数料情報

承認額が最終決済額を上回る場合がある。取引処理の完了後、実際の請求額を超えて確保されていた資金は解放され、利用可能残高に戻る。一時的な残高の拘束により、後続の支払いで残高不足が生じる可能性はあるが、その確保額を外貨取引手数料や暗号資産交換手数料に加算して、実際のコストを計算してはならない。加盟店による決済処理の遅延、取引取消、返金が発生した場合は、最終的な取引記録を基に実際の請求の有無を判断する。

6. ATM出金:無料枠と超過手数料

カードプラン

発行会社が課すATM出金手数料

Coinbase Card · 米国

Coinbaseは出金手数料を課さない

Crypto.com Midnight · 米国

月間200米ドルまで無料、超過分は2%

Crypto.com Midnight · 欧州

月間200ユーロまで無料、超過分は2%

Crypto.com Midnight · 英国

月間180英ポンドまで無料、超過分は2%

Bybit Card · オーストラリア

月間100米ドルまで無料、超過分は2%

Nexo Card · Base

月間200ユーロ/180英ポンドまで無料、超過分は2%。1回当たり最低1.99ユーロ/英ポンド

RedotPay · USDカード

月間累計出金額の最初の10,000米ドルに2%、超過分に3%

表中の「無料」は発行会社が課す該当の出金手数料だけを指し、出金全体のコストがゼロになるという意味ではない。NexoのSilver、Gold、Platinumの月間無料枠は、それぞれ 400、1,000、2,000ユーロ。英国では 360、900、1,800英ポンド に相当する。Crypto.comもカードランク別に異なる上限を設けている。RedotPayのHKDカードの条件は、表に記載したUSDカードとは異なる。USDカードでは無料枠のような仕組みではなく、2% の手数料が基準額以下の出金にも適用される。

ATM運営会社による追加手数料は発行会社の出金手数料とは別であり、端末画面に表示される場合がある。通貨換算を伴う場合には、外貨取引手数料やDCC関連の費用も発生し得る。出典:Coinbase、Nexo、RedotPay。

7. カード発行費・休眠手数料・利用資格

カードプラン

発行費用または申込条件

RedotPay バーチャルカード/物理カード

10米ドル/100米ドル

Crypto.com Midnight · 米国

物理カード:4.99米ドル

Crypto.com Midnight · 欧州

物理カード:4.99ユーロ

Bybit · オーストラリア

バーチャルカードの発行手数料は一時免除。通常の物理カードは29.99米ドル、条件を満たすVIPは免除対象

Bybit · ブラジル

バーチャルカード・物理カードともに発行手数料無料

Nexo Card

バーチャルカードは無料。利用開始には口座残高50米ドル以上が必要。物理カードと配送は無料だが、Goldランクに達し、デジタル資産ポートフォリオ残高が5,000米ドルを超える必要がある

Nexoの資産保有要件は申込資格の基準であり、カード発行手数料ではない。口座内の50米ドルは引き続き利用でき、物理カードの取得に必要な高いポートフォリオ残高も、発行会社が5,000米ドルを徴収することを意味しない。Nexo Cardには月額料金、年会費、休眠手数料がない。一方、RedotPayの発行手数料はカード発行時に実際に差し引かれるため、利用頻度の低いユーザーにとって独立した一時費用となる。出典:RedotPay、Bybit、Nexo、Crypto.comの各地域の手数料表。

Crypto.com Midnightの休眠手数料は、カード保有者が自ら開始した有効な金融取引が連続12か月ない場合に、規約に基づいて毎月請求される。米国では2026年9月1日から月額 5.95米ドル、欧州と英国では2026年10月1日からそれぞれ月額 6ユーロ、6英ポンド となった。カード保有者自身が開始した条件を満たす金融取引があれば、休眠期間のカウントはリセットされる。拒否された取引や返金済みの取引は、有効な活動に含まれない。休眠手数料は発生条件を満たした後の月に請求されるものであり、条件を満たす前から必ず発生する年会費として扱ってはならない。米国|欧州|英国

8. カードネットワークの為替レートとDCC

異なる通貨での決済には、3種類の価格が関係する可能性がある。暗号資産の売却レート、カードネットワークまたは決済処理事業者が適用する通貨換算レート、そしてカード発行会社が課す外貨取引の追加手数料だ。ネットワークの為替レートと発行会社の追加手数料は別の要素であり、公表されている外貨取引手数料だけから実際の換算レートを逆算することはできない。Mastercardの通貨換算計算ツールは参考レートを提供するが、発行会社が異なるレートを適用したり、追加手数料を課したりする場合がある。実際の換算結果は承認のタイミングにも左右される。

動的通貨換算(DCC)は、加盟店やATMが提供するもう一つの決済方法だ。カード保有者は現地通貨で支払い、カードの通常の決済処理を通じて通貨換算を行うことができる。一方、加盟店が提示する自国通貨またはカード通貨建ての金額を受け入れ、そのサービス事業者に換算を任せることもできる。VisaのDCCに関する説明によれば、端末には両通貨の金額、為替レート、上乗せ額または追加手数料が表示され、カード保有者が選択できる必要がある。DCCを受け入れると、換算の経路と最終コストが変わる可能性がある。DCCを拒否した場合、通常はカード本来の決済処理を通じて換算されるが、発行会社の追加手数料が発生することはある。DCCを受け入れる場合は、加盟店またはATM運営会社が提示した実際のレートを確認すべきだ。発行会社が外貨取引手数料を免除していても、DCCの方が安くなるとは限らない。

参考資料

  1. Coinbase Card — Fees and Taxes

  2. Crypto.com — 米国カードの手数料と利用限度額

  3. Crypto.com — 欧州カードの手数料と利用限度額

  4. Crypto.com — 英国カードの手数料と利用限度額

  5. Crypto.com — 欧州・英国のチャージ方法

  6. Bybit Card — Fees and Limits

  7. Nexo Card — 商品・手数料情報

  8. RedotPay — カード発行手数料

  9. RedotPay — ATM出金・取引手数料

  10. Mastercard — Currency Converter

  11. Visa — Dynamic Currency Conversion

資料確認基準日:2026年10月30日